やけどが白くなって痛くない…それは重症な「III度熱傷」かも?専門医が解説

「熱湯をかぶったのに、不思議と痛くない」「湯たんぽを当てて寝てしまい、朝起きたら皮膚が白っぽく硬くなっている」と戸惑っていませんか?痛くないからといって軽傷なわけではありません。それは皮膚の最も深い層、さらには皮下脂肪や筋肉までダメージが及んで神経が死んでしまった「III度熱傷(さんどねっしょう)」という極めて重症な状態です。

こんにちは、東京駒込皮膚科クリニックの院長です。当院は山手線・南北線「駒込駅」徒歩1分にあり、豊島区・文京区・北区の境界という好立地です。III度熱傷は自然に治ることはなく、放置すると重篤な感染症を引き起こす命に関わる病態です。自己判断で市販の薬を塗ったり放置したりせず、一刻も早く医療機関へご相談ください。

【秒速トリアージ】その症状、放置で大丈夫?今すぐ受診すべきサイン

やけどの状態から、受診の緊急度を判定します。まずはご自身のお肌をご確認ください。

【今すぐ受診】

  • やけどの範囲が広い(片腕全体や胴体など)。
  • 顔面、首、または陰部などの重要な部位にやけどを負っている。
  • 火災などで煙を吸い込み、声がかすれたり呼吸が苦しかったりする(「気道熱傷」の疑いがあり、窒息の危険が迫っています)。

【早めに皮膚科へ】

  • 上記と同様。

【様子見・早めの相談】  

  • 湯たんぽやカイロなどで「低温やけど」をし、皮膚が白くカサカサに乾燥している、または黒く炭化している。
  • やけどをした部分の感覚がなく、針で突いても痛みを感じない。
  • ※範囲が狭くても、III度熱傷は手術が必要になるため、至急受診してください。

即回答!やけどの「よくある疑問」

  • 患者様やご家族からよくいただく3つの疑問に、結論ファーストでお答えします。

    • なぜ痛くないのですか? 皮膚の表面だけでなく、痛みを感じる「神経」が存在する深い層まで完全に焼け焦げて壊死(えし)してしまっているからです。痛くないことこそが、最も重症である最大のサインです。
    • 放っておいても自然に治りますか? 絶対に治りません。皮膚を作る細胞自体が全滅しているため、薬を塗って待っていても新しい皮膚は再生しません。腐った組織を取り除き、別の場所から皮膚を移植する「手術」が原則となります。
    • 「低温やけど」でもIII度になりますか? なります。むしろ、湯たんぽやカイロなどが長時間同じ場所に当たり続ける「低温やけど」は、熱がじわじわと骨の近くまで達するため、見た目の面積は小さくても「深さはIII度の重症」になっているケースが非常に多いです。

【専門医の解説】やけどの原因とやってはいけないこと

熱傷(やけど)は深さによってI度〜III度に分類されます。最も深いIII度熱傷は、皮膚の全層が破壊され、水ぶくれ(水疱)すらできません。皮膚は水分を失って白っぽく乾燥するか、茶褐色〜黒色に炭化して硬くなります。高温の熱湯や炎のほか、化学薬品、電気(感電)、湯たんぽによる長時間の接触(低温やけど)などが原因となります。

絶対にやってはいけない「禁忌(きんき:やってはいけないこと)」は、「痛くないから」と民間療法のアロエを塗布したり、市販の絆創膏を貼って放置したりすることです。壊死した組織から細菌が繁殖し、全身に菌が回る「敗血症」を引き起こして命を落とす危険があります。

当院(皮膚科クリニック)としての役割は、初期の深さの判定と応急処置を迅速に行い、III度熱傷と診断した場合は、手術(植皮術)や全身管理が可能な「熱傷センター」や「総合病院の形成外科・救命救急」へ一刻も早くご紹介し、連携することです。

【鑑別疾患比較表】やけどの深さ(I度・II度・III度)の違い

やけどの深さによる症状の違いを表で確認しましょう。

項目

I度熱傷

II度熱傷(浅・深)

III度熱傷

ダメージの深さ

表皮のみ

真皮層まで

皮下脂肪・筋肉まで

見た目の特徴

赤くなるだけ

水ぶくれができる

白く乾燥、または黒く炭化

痛みの強さ

ヒリヒリ痛い

非常に痛い(深層はやや鈍い)

全く痛くない(無感覚)

治癒までの期間

数日で自然治癒

1〜4週間程度

自然治癒しない(要手術)

傷跡(瘢痕)

残らない

深い場合は残る

必ず残る・ひきつれる



当院の「こだわりの治療」と処方の考え方

III度熱傷の場合、クリニックでの塗り薬の治療だけでは限界があり、専門的な外科的介入(手術)が基本となります。

① 初期対応(冷却と感染防御) 受傷直後の場合は流水で冷やしますが、広範囲の場合は低体温症に陥る危険があるため、医師の管理下で保温と感染を防ぐための創部保護(滅菌ガーゼなど)を行います。

② 専門病院への搬送・紹介 当院でIII度熱傷(またはその疑い)と判断した場合は、速やかに高次医療機関へ紹介状を作成します。広範囲の場合は、直ちに救急車を手配します。

③ 高次医療機関での治療(参考) 入院の上、点滴による全身管理(脱水・感染予防)が行われます。その後、壊死した皮膚を手術で切り取り(デブリードマン)、患者様自身の健康な皮膚を採取して貼り付ける「植皮術(皮膚移植)」などの外科的治療が行われます。

経過シミュレーション:初診から完治まで

  • 高次医療機関で治療を受ける場合の、一般的な時系列のイメージです。

    • 【受傷〜救急搬送】 クリニックの受診または救急車で専門病院へ。点滴による水分補給と全身の感染予防が開始されます。
    • 【数日〜数週間後(手術)】 全身状態が安定したタイミングで、壊死した組織を切除し、太ももやお尻などから健康な皮膚を移植する「植皮術」が行われます。
    • 【退院〜リハビリ期】 移植した皮膚が定着すれば退院となりますが、傷跡がひきつれて関節が動かしにくくなる「拘縮(こうしゅく)」を防ぐため、長期間のリハビリテーションや圧迫療法(サポーターの着用など)が必要になります。

よくあるご質問

  • Q1. 範囲が1cmくらいと狭いのですが、それでも手術になりますか?
    • A1. 範囲が非常に狭い場合は、手術をせずに壊死した部分を取り除きながら周囲の皮膚が伸びてくるのを待つ(保存的治療)こともありますが、傷跡が目立ったり、治るまでに数ヶ月かかったりします。医師と相談して方針を決めます。
  • Q2. 湯たんぽで白くなっているだけです。何科に行けばいいですか?
    • A2. 皮膚科または形成外科を受診してください。低温やけどは見た目以上に深いことが多いため、まずは専門医による深さの判定が必要です。
  • Q3. やけどの跡は消えますか?
    • A3. III度熱傷の場合、元の全く同じ肌に戻ることはありません。植皮の手術跡や、ひきつれ(瘢痕)が残ります。命と機能を守ることが最優先の治療となります。
  • Q4. 一応診ていただきたいのですが、Web予約は可能ですか?
    • A4. はい、スマホから「24時間Web予約」が可能です。ただし、範囲が広い場合や、ご本人の意識が朦朧としている場合は、予約を待たずに即座に救急車(119番)を呼んでください。
  • Q5. 巣鴨や田端から通いたいのですが、アクセスはどうですか?
    • A5. 当院は山手線・南北線「駒込駅」徒歩1分です。巣鴨駅・田端駅からは山手線でわずか1駅(約2分)です。初期診断や、専門病院退院後の傷跡のフォローアップなどにお通いやすい環境です。

口コミへのご協力のお願い

  • クリニック名: 東京駒込皮膚科クリニック
  • 住所: 東京都豊島区駒込2-15-8 駒込ビル2F(豊島区・文京区・北区の境界、駒込駅すぐ)
  • アクセス: JR山手線・東京メトロ南北線「駒込駅」北口・5番出口から徒歩1分
  • 予約方法: 24時間いつでもネットからWEB予約が可能

当院では、寝不足で辛い思いをされている方が「来てよかった、今夜から眠れそう」と安心していただけるよう、親身な診察を心がけています。もし当院の治療でお悩みが軽くなりましたら、励みになりますので、ぜひ[Googleマップへの温かい口コミ・レビュー]へご協力いただけますと幸いです。

この記事のまとめ

III度熱傷は、皮膚の全層から皮下脂肪・筋肉にまでダメージが及ぶ最も重症なやけどです。神経が焼け焦げているため痛みがなく、皮膚が白く乾燥したり黒く炭化したりするのが特徴です。自然に治ることはなく、放置すれば重篤な感染症で命に関わるため、壊死した組織を取り除き皮膚を移植する手術が必要となります。湯たんぽによる低温やけどでも容易にIII度熱傷になります。東京駒込皮膚科クリニックでは、やけどの深さを迅速に判定し、必要に応じて高度な外科治療が可能な熱傷センターや形成外科へ速やかにご紹介する連携体制を整えています。駒込駅徒歩1分。「痛くないから」と放置せず、やけどの色が白や黒に変色している場合は、直ちに医療機関を受診してください。

【クリニック情報】

場所: JR山手線・東京メトロ南北線「駒込駅」徒歩1分