「皮膚に分厚いかさぶたのようなものができる」「頭皮が白くカサカサしてフケのように落ちる」とお悩みではありませんか?それは湿疹や水虫ではなく、「乾癬(かんせん)」という慢性の皮膚疾患かもしれません。
乾癬は他人にうつる病気ではありません。根本的な完全治癒は難しいものの、適切な治療で症状をしっかりとコントロールすることが可能です。本記事では、乾癬の症状や原因、そして外用薬や内服薬、生物学的製剤を用いた東京駒込皮膚科クリニックの治療方針について詳しく解説します。
結論:乾癬とはどんな病気?
乾癬は、皮膚の入れ替わりが異常に早まることで、厚いかさぶた(鱗屑)と赤い発疹が生じる病気です。
湿疹や水虫(たむし)と間違われやすいですが、細菌やカビが原因ではないため、他人にうつる感染症ではありません。適切な治療を継続することで、健康な皮膚を取り戻すことが十分に可能です。
【秒速トリアージ】すぐ受診すべき危険なサイン
以下の症状がある場合は、重症タイプの乾癬である可能性が高いため、速やかな専門的治療が必要です。
【今すぐ受診】
- 手足の関節(指の第一関節など)に痛みや腫れ、変形がある
- 赤い皮疹の上に、無菌性の膿疱(うみをもった水ぶくれ)が多発している
- 発熱や強い全身のだるさを伴う
これらは「関節症性乾癬(乾癬性関節炎)」や「膿疱性乾癬」などの重篤なタイプが疑われます。
乾癬の種類
乾癬にはいくつかの種類がありますが、最も一般的なのは全体の約90%を占める「尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)」です。その他に、前述した関節の痛みを伴う「関節症性乾癬」や、全身に発熱と膿疱を伴う「膿疱性乾癬(国の難病指定)」など、いくつかの重症タイプが存在します。
なぜ乾癬になるのか
根本的な原因は完全にはわかっていませんが、「免疫の異常」が深く関わっています。
健康な人の皮膚の「ターンオーバー(古い皮膚が剥がれ落ちて新しい皮膚に入れ替わるサイクル)」は約1ヶ月ですが、乾癬の患者様ではこのサイクルが数日〜1週間と極端に短くなります。その結果、異常な皮膚が急速に積み重なり、分厚いかさぶた(鱗屑)となって発症します。遺伝的な体質に、ストレスや生活習慣の乱れなどの環境要因が加わることが引き金になると考えられています。
主な症状と見た目の特徴
境界のはっきりした赤い発疹と、その表面に「鱗屑(りんせつ:厚いかさかさとした皮膚の粉)」を伴うのが特徴です。
- かゆみは少ない: 湿疹と異なり、かゆみは全くないか、あっても軽度なことが多いです。
- 全身どこにでも出る: 擦れやすい部位(肘、膝、お尻など)に出やすく、数ミリの小さなものから地図のように広がるものまで個人差があります。
- 頭皮や爪への症状: 頭皮がフケのように白くかさかさしたり、爪の表面がでこぼこに変形(点状陥凹)したりすることもあります。
皮膚科での診断
主に皮膚科専門医による「視診(目で見て症状を確認すること)」と問診で診断します。症状が似ている別の病気と区別するために、皮膚の一部をわずかに採取して顕微鏡で調べる「皮膚生検」や、真菌(カビ)検査を行うことがあります。
間違われやすい病気
乾癬は湿疹や水虫に似ているため、皮膚科専門医による正確な鑑別が必要です。
湿疹との違い: 湿疹は境界が曖昧で強いかゆみを伴いますが、乾癬は赤みの境界がくっきりとしており、鱗屑が厚く付着します。
水虫(たむし)との違い: 股(太ももの付け根)などにできると「たむし(白癬菌による感染症)」に間違われることがあります。乾癬はカビが原因ではないため、顕微鏡検査で菌が検出されなければ乾癬などを疑います。
当院での治療方針と選択肢
乾癬は一度良くなっても、自己中断すると再発しやすい慢性の病気です。当院では患者様の重症度に合わせて、以下の治療法を組み合わせて行います。
※現在、当院では光線療法(紫外線療法)は実施しておりません。その代わり、外用薬、内服薬、生物学的製剤を用いた治療を充実させています。
1. 外用薬(塗り薬)による治療
軽症〜中等症の基本となる治療です。
- 活性型ビタミンD3外用剤: 皮膚の異常な増殖を穏やかに抑えます。
- ステロイド外用剤: 皮膚の強い炎症を素早く抑えます。現在はこの2つが混ざった「配合剤」も広く用いられています。
2. 内服薬(飲み薬)による治療
症状が重い場合や、外用薬だけでコントロールが難しい場合に検討します。
- エトレチナート内服療法: ビタミンAの誘導体で、皮膚の異常な角化(厚くなること)を抑えます。
- シクロスポリン内服療法: 免疫抑制薬の一種で、過剰な免疫反応を強力に抑え込みます。
3. 生物学的製剤(注射薬)による治療
当科では数年前より、重症な患者様に向けて「生物学的製剤」を用いた高度な治療も行っています。特定の炎症物質(サイトカイン)をピンポイントで抑え込むことで、非常に高い改善効果が期待できます。
当院の診療方針
毎週木曜日の「乾癬専門外来(鮫島医師)」を中心に、最新の知見に基づいた専門的な診療を提供します。
東京駒込皮膚科クリニックでは、乾癬でお悩みの患者様一人ひとりの症状とライフスタイルに合わせた治療計画を立てています。
- 専門医による特化型診療: 毎週木曜日は、乾癬治療に精通した鮫島医師による専門的な診察を行っております。
- シームレスな医療連携: より高度な治療(生物学的製剤など)が必要な場合は、連携する大学病院等の高次医療機関へ速やかにご紹介する体制が整っています。
- ヒフメドのオンライン診療: 状態が安定している患者様には「ヒフメド」を通じたオンライン診療と処方箋配送を組み合わせ、無理なく治療を継続できる環境を提供しています。
まとめ
- 乾癬は皮膚のターンオーバーが異常に早まる病気で、人にうつることはありません。
- 赤い発疹と分厚いフケのような鱗屑が特徴で、湿疹や水虫と間違われやすいです。
- 当院では光線療法は行っておりませんが、外用薬、内服薬、生物学的製剤による高度な治療が可能です。
- 毎週木曜日の鮫島医師による専門外来や、ヒフメドでのオンライン診療で継続的なサポートを行います。
「治らない湿疹やフケ」「関節の痛み」にお悩みの方は、ぜひ一度、東京駒込皮膚科クリニックの乾癬専門外来(木曜日)へご相談ください。