乾癬(かんせん)とは?原因や種類、全身への影響を専門医が解説

乾癬(かんせん)と診断され、「どんな病気なのだろう」「一生治らないのだろうか」と不安を抱えていませんか?

乾癬は原因不明で慢性的な経過をたどる皮膚疾患ですが、決して諦める必要はありません。近年、免疫異常や生活習慣などが複雑に絡み合って発症し、メタボリックシンドロームなど全身の病気にも関わることが分かってきました。本記事では、乾癬の原因や種類、全身への影響について、皮膚科専門医が詳しく解説します。

結論:乾癬とはどんな病気?

乾癬は免疫異常による慢性の皮膚疾患です。皮膚だけでなく全身の健康にも関わるため、早期からの専門的治療が重要です。

皮膚の表面に銀白色のかさつき(鱗屑)を伴う赤い発疹が現れます。根本的な完全治癒は難しいですが、早期発見と生活習慣の見直しを含めた適切な治療により、症状をゼロに近づけることが可能です。人にうつる病気ではありません。

【秒速トリアージ】すぐ受診すべき危険なサイン

以下の症状がある場合は、重症タイプの乾癬や合併症のサインです。すぐに皮膚科を受診してください。

【今すぐ受診】

  • 手足の指、手首、腰などの関節に強い痛みや腫れ、こわばりがある
  • 全身の皮膚が真っ赤になり、急な発熱や強いだるさを伴う
  • 赤い皮疹の上に、膿(うみ)をもった小さな水ぶくれが多発している

これらは速やかな専門治療(場合によっては入院加療など)が必要な状態です

乾癬のさまざまなタイプ(種類)

  • 一口に乾癬と言っても、症状によって主に5つのタイプに分類されます。

    皮膚症状のみのものは「尋常性乾癬」と呼ばれ、最も一般的です。

    乾癬の種類

    主な特徴

    尋常性乾癬


    (じんじょうせいかんせん)

    乾癬の中で最も一般的(約90%)で、皮膚症状(赤みと白い粉)のみが現れるタイプです。

    乾癬性関節炎


    (かんせんせいかんせつえん)

    皮膚症状に加えて、リウマチに似た関節炎(関節の痛みや腫れ、変形)を伴います。

    乾癬性紅皮症


    (かんせんせいこうひしょう)

    全身の皮膚の大部分が真っ赤に腫れ上がる(変色する)、入院治療が必要な重症タイプです。

    膿疱性乾癬


    (のうほうせいかんせん)

    無菌性の膿(うみ)をもった重症の皮膚症状が現れ、急激な発熱などを伴う国の指定難病です。

    滴状乾癬


    (てきじょうかんせん)

    溶連菌などによる扁桃腺炎をきっかけに、水滴のような小さな発疹が全身に急に生じます。若年者に多く見られます。

発症の頻度と悪化因子

「遺伝的な体質」に、ストレスや生活習慣の乱れなどの「環境因子(引き金)」が加わることで発症します。

近年の研究により、免疫細胞の一部の異常が皮膚や関節の症状を引き起こすことが解明されてきました。

  • 発症の頻度と現状: 日本人の発症頻度は人口の約0.1%ですが、食の欧米化などにより近年増加傾向にあります(欧米では約2〜3%と一般的な病気です)。20歳代〜50歳代に多く発症します。
  • 遺伝因子と環境因子: 欧米では家族内発症が20%以上あると報告されています(日本は約5%)。しかし遺伝以上に、外傷(皮膚への摩擦や傷)、感染症、特定の薬剤、精神的ストレス、肥満・生活習慣の乱れが発症や悪化の引き金になると考えられています。

主な症状と好発部位

基本的な症状は、境界がはっきりした紅斑(赤い発疹)と、その表面に付着する銀白色の鱗屑(かさつき・フケのような粉)です。

皮疹は全身のどこにでも出る可能性がありますが、とくに衣服などで摩擦が起こりやすい(ケブネル現象が起きやすい)以下の部位に好発します。

    • 頭皮(髪の生え際)
    • 肘(ひじ)、膝(ひざ)
    • 腰回り、お尻
    • 爪(表面の凹み、白く浮き上がるなど)

検査

乾癬の診断は、主に「視診(目で見て確認すること)」と問診で行います。

全身の健康状態(メタボリックシンドロームの有無など)を把握するため、血液検査を行うこともあります。また、他の病気との区別が難しい場合は、皮膚の一部をわずかに採取して顕微鏡で調べる「皮膚生検」を行います。

鑑別診断(他の病気との違い)

頭皮の「脂漏性皮膚炎」や、体幹の「慢性湿疹」などと正確に見分ける必要があります。

湿疹は強いかゆみを伴い境界が曖昧ですが、乾癬は赤みの境界がくっきりとしており、かゆみは軽度なことが多いです。専門医でないと正確な診断がつかない場合があります。

放置するとどうなるか

乾癬の慢性的な炎症を放置すると、血管を通じて全身に悪影響を及ぼし、心筋梗塞などのリスクを高めます。

近年、乾癬は皮膚だけの病気ではなく、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に似て、肥満、糖尿病、高血圧、そして心臓血管の病気にも深く関わることが分かってきました。そのため、皮膚の治療だけでなく、生活習慣の改善など、医療者と患者さんが二人三脚で全身の健康管理に取り組むべき病気として捉えられています。

当院の診療方針

毎週木曜日の「乾癬専門外来(鮫島医師)」を中心に、最新の知見に基づいた専門的な診療を提供します。

東京駒込皮膚科クリニックでは、乾癬でお悩みの患者様一人ひとりの症状とライフスタイルに合わせた治療計画を立てています。

  • 専門医による特化型診療: 毎週木曜日は、乾癬治療に精通した鮫島医師による専門的な診察を行っております。
  • シームレスな医療連携: より高度な治療(生物学的製剤など)が必要な場合は、連携する大学病院等の高次医療機関へ速やかにご紹介する体制が整っています。
  • ヒフメドのオンライン診療: 状態が安定している患者様には「ヒフメド」を通じたオンライン診療と処方箋配送を組み合わせ、無理なく治療を継続できる環境を提供しています。

まとめ

乾癬は免疫異常が原因の慢性的な皮膚疾患で、人にうつることはありません。

    • 頭皮や肘・膝に、銀白色のフケを伴う赤い発疹が出やすいのが特徴です。
    • 放置するとメタボリックシンドロームや心筋梗塞などの全身の病気(乾癬マーチ)につながる危険性があります。
    • 皮膚の治療と並行して、適正体重の維持など生活習慣の改善が不可欠です。

【クリニック情報】

場所: JR山手線・東京メトロ南北線「駒込駅」徒歩1分